~世界の塗装産業をリードする~

日本塗装機械工業会 Coating Equipment Manufacturers Association

工業塗装高度化協議会

【名称】

工業塗装高度化協議会

【発足】

塗料・塗装業界の喫緊の共通課題である「2010年VOC30%削減」には、実際に塗装を行っている企業と、これに関連する各業界団体・企業が連携しなければ有効な結果が得られないことから、とりわけ工業塗装施工業者の集まりである日本工業塗装協同組合連合会と塗装機器設備関連業者の集まりである日本塗装機械工業会が協同して活動を進めるため、2007年4月に発足した。

【目的】

業界の喫緊の共通課題である「2010年VOC30%削減」に向け、行政・学術はもとより日本塗料工業会をはじめとする塗料・塗装業界団体、またユーザー関連団体等と連携を図り、また支援を得ながら有効なVOC削減活動を推進する。また、この活動を通して、工業塗装業界の社会的認識・位置付けの向上を図り、工業塗装に関する行政等の対外的な窓口として機能することを目指す。

【組織】

環境技術分科会
  • 会長・副会長による会長懇談会
  • 幹事による幹事会
  • 会員による分科会

【活動概要】

中小企業が抱えるVOCをはじめとした共通の環境問題や塗装課題を具体的に解決する取組みを行なうため、両団体からメンバーを選出し工業塗装高度化協議会の下に「環境技術分科会」を2007年12月に立ち上げた。

環境技術分科会は、塗装機械メーカー関係、塗装専業企業、塗装専門家、研究機関など参加を得て、メンバー全員で既存のノウハウの収集と新たな開発課題を抽出してコストの掛からない改善策とアイディアを実証し、日本全国に紹介して普及活動を実施する。

【会員】 (2010年11月現在)

工業塗装高度化協議会会長 山崎 秀雄 (日本工業塗装協同組合連合会会長)
工業塗装高度化協議会副会長 里見 多一 (日本塗装機械工業会会長)
工業塗装高度化協議会幹事 林 正明 (東京工業塗装協同組合理事長)
平野 克己 (日本塗装機械工業会専務理事)
窪井 要 (東京工業塗装協同組合副理事長)
工業塗装高度化協議会事務局 有馬 弘純 (塗料報知新聞社)

環境技術分科会

所属団体・機関 所属会社 氏名・役割
日本塗装機械工業会 会員 旭サナック(株) 島田 哲也 分科会会長
日本塗装機械工業会 会員 オーウエル(株) 小林 弘 分科会メンバー
日本塗装機械工業会 会員 東和酵素(株) 内山 貴識 分科会メンバー
日本塗装機械工業会 会員 東和酵素(株) 松本 英樹 分科会メンバー
日本塗装機械工業会 会員 アネスト岩田(株) 杉山 博英 分科会メンバー
日本塗装機械工業会 会員 (株)桂精機製作所 澤居 昌廣 分科会メンバー
日本塗装機械工業会 会員 パーカエンジニアリング(株) 有正 一郎 分科会メンバー
日本塗装機械工業会 専務理事   平野 克己 アドバイザー
日本工業塗装協同組合連合会 会員 (有)久保井塗装工業所 窪井 要 分科会副会長
日本工業塗装協同組合連合会 会員 第一塗装工業(株) 広瀬 建蔵 分科会メンバー
日本工業塗装協同組合連合会 会員 第一塗装工業(株) 上遠野 恵一 分科会メンバー
日本工業塗装協同組合連合会 会員 (株)小泉塗装工業所 小泉 栄 分科会メンバー
日本工業塗装協同組合連合会 事務局   倉持 保雄 アドバイザー
日本工業塗装協同組合連合会 顧問 坂井技術士事務所 坂井 秀也 アドバイザー
日本パウダーコーティング協同組合 会員 (株) 三王 高橋 大 分科会メンバー
研究機関 地方独立行政法人
東京都立産業技術研究センター
木下 稔夫 アドバイザー

【環境技術分科会の活動成果】 (2010年11月現在)

(1) 環境技術分科会の全体取組

環境技術分科会の全体取組

(2) 実態調査の実施

2008年3月に中小企業の持つ環境問題や塗装課題を収集するため日本工業塗装協同組合連合会会員企業に向け、塗装環境や設備の状況、VOCや環境負荷低減に向けた意識の実態を調査するためアンケートを実施した。

意識調査表を日本工業塗装協同組合連合会会員企業241社に発信し、回答96社、そのうち有効回答85社が得た。

日本工塗連 各組合 東京 埼玉 神奈川 愛知 関西 個人 合計
発信数 63 17 66 52 32 11 241
回答数 26 6 45 7 8 4 96

VOC集大成 (PDF) 参照

(3) 主な活動内容

溶剤使用量削減、環境対応塗料の展開、排気VOC処理、産廃の有効利用(塗料スラッジのリサイクル)の4つの活動テーマを掲げ、直接的なVOCの削減は溶剤使用量削減テーマで実施した。その具体的な活動として、全ての中小企業に共通した安価にVOC削減が行なえる方法を選定し、塗装洗浄工程の改善(費用の全く掛からない溶剤回収方法とこれによるVOC大気排出の削減)、色替工程の改善(非常に安価な装置により、廃棄する塗料の低減)、塗装方法の見直し(塗装ガンの有効な使い方)を抽出。これらの課題に対し対策案をまとめ、計画を立案。モデル工場選定後、改善の見直しを積み重ね、実証実験を経て効果の確認を実施した。

■溶剤使用量削減活動

溶剤使用量削減活動

溶剤使用量削減テーマではシステム全体の見直しとして左記図のような改善ポイントを示した。

分科会活動では、このうち塗料ホースについて下記表のSTEP1~3を取上げ、効果の検討を行い実証にてVOC削減を実施した。


STEP 検討項目 検討と検証結果
1 塗料ホースの長さと容積を考える 検討結果 内径φ6mm塗料ホースの単位容積を算出し1m当たり28mlの容積を減らすことが可能。
実測結果 塗料ホース内径φ6mm×5mを4mに変更し、約30g(変更前280g⇒変更後250g)、11%の洗浄溶剤削減に成功。
2 塗料ホースの材質を考える 検討結果 内径φ6mm塗料ホースを撥水性の高いテフロン製ホースに変更。具体的削減量は実測にて評価。
実測結果 塗料ホース内径φ6mm×5mの材質をウレタン製からテフロン製に変更し、約151g(変更前280g⇒変更後129g)、54%の洗浄溶剤削減に成功。
3 塗料ホースの口径と容積を考える 検討結果 内径φ6mmと内径φ4mm塗料ホース径の差を算出し同じ長さで56%の容積を減らすことが可能。
実測結果 塗料ホース内径φ6mm×5m(ウレタン製)を内径φ4mm×5m(テフロン製)に変更し、約217g(変更前280g⇒変更後61g)、72%の洗浄溶剤削減に成功。

条件

塗装機 ペイントタンク(10L)
ガン口径 φ0.8mm
タンク圧送圧力 0.1MPa

条件は、どこにでもある塗装システムの条件とした。

塗料ホース変更による洗浄液削減

■塗料スラッジのリサイクル活動

塗装工程の塗料スラッジは産業廃棄物として処理されているが、産業廃棄物処分場の処理能力及び処理施設の減少が課題となっており、塗料スラッジのリサイクル化に環境技術分科会では取り組んでいる。その手段として塗料スラッジの臭気を無くし、含水率を5%以下に乾燥させて樹脂ペレットにしてパレットや攪拌樹脂棒などに成型し、再び塗装工場で利用するリサイクル活動を実施している。

塗料スラッジの再利用化に向けた活動

■ゴミブツ削減活動

塗装のゴミブツ問題は、再塗装によるVOC発生量の増加につながるため、中小零細企業で生じるゴミブツ削減活動を実施している。モデル工場にて塗装ゾーンに点在するゴミの採取と製品に付着したゴミブツの分析比較を行い、ゴミの移動の主原因である風の流れを解析し、塗装ゾーン全体の改善箇所を洗い出すことにより、ゴミブツが発生しないあるべき姿を実証する活動を実施している。

環境技術分科会 ゴミブツ削減活動計画

活動STEP 内容
(1) 実施計画
  1. モデル工場の選定
  2. ゴミブツ原因調査方法の検討
    • 塗装ゾーン内に飛散しているゴミを収集分析し、ワークに付着したゴミと比較し塗装ゾーン内のゴミ発生源や対策方法を検討。
    • 塗装ゾーン内風向測定計画
    • ゴミブツ採取方法、分析方法の検討
  3. 日程計画
  4. 役割分担
(2) 現状調査
  1. モデル工場の塗装ゾーンの視察
  2. モデル工場の塗装ゾーン見取り図による検討
  3. 塗装ゾーン内風向測定方法の検討と計画
  4. サンプル板作成
    このモデル工場では実際のワークを用いることが難しいため、代用のサンプル板を作成して実施。
  5. 塗装設備に対する分析する因子の確認
    • 調査したモデル工場では乾燥炉に電気炉とガス炉があるため、この2つの乾燥炉の違いによるゴミ付着状態を比較調査する。
    • 塗装ゾーン内の風向など改善点を事前検討。
(3) ゴミ採取
  1. 風速測定
    • スモークテスタ使用。
    • 塗装ゾーンを150のブロックに分けて測定。
  2. 塗装ゾーンのゴミ採取
    • 塗装ゾーン内約30か所で採取。
    • 採取はテープを使用。
    • 採取したゴミはIPAで洗浄。
(4) ゴミ調査・照合
  1. サンプル板付着のゴミ剥離方法の決定し電顕調査
    • ☐20mm程度に板を切除し塗膜除去。
  2. 塗装ゾーンの採取ゴミとサンプル板付着ゴミ比較
    • ゴミ成分を調査。
(5) ゴミ発生要因の検討
  1. 風速測定シミュレーション分析
    • 風の流れと塗装ゾーン内のゴミ流動に対策
  2. 設備状態とゴミ発生の分析
(6) 対策立案
  1. 塗装室の風量と風向の改善
  2. 塗装設備状態の改善
  3. 塗装ゾーンの清掃箇所、清掃方法検討
  4. 日程計画、役割分担
(7) 効果の確認 モデル工場にて対策前と対策後それぞれ3ヶ月間のゴミ不良推移の変化と対策の効果を確認。

(4) 活動成果の情報発信

多くの企業に採用を進めてもらうため、定量的なVOC排出の数値削減、さらにコスト削減として写真、図表で分りやすくデータにまとめ、2009年6月に工業塗装高度化協議会主催「Ecoでコスト削減!」セミナー(東京)、2009年11月に関東経済産業局主催VOCセミナー(東京)、2009年に九州経済産業局主催VOCセミナー(九州2回)、2010年2月に関西工業塗装協同組合主催「Ecoでコスト削減!」セミナー(大阪)にてVOC排出抑制支援の普及に努めた。

各セミナー開催内容及びホームページ該当箇所と参加者(または定員)

セミナー名 開催日 主催 参加人数(または定員)
プログラム及びテキスト掲載Webアドレス
VOC対策セミナー「Ecoでコスト削減!」 2009年6月18日 工業塗装高度化協議会 197名
../voc_info/index.html
平成21年度産業公害防止対策調査
~VOC排出抑制自主的取組普及セミナー~(北九州会場)
2009年10月26日 九州経済産業局 定員100名
http://www.kyushu.meti.go.jp/event/0909/090907_4.html
平成21年度産業公害防止対策調査
~VOC排出抑制自主的取組普及セミナー~(鳥栖会場)
2009年10月27日 九州経済産業局 定員100名
http://www.kyushu.meti.go.jp/event/0909/090907_4.html
揮発性有機化合物(VOC)対策講演会(神奈川会場) 2009年11月27日 関東経済産業局 204名
http://www.jemai.or.jp/japanese/tech/voc/download_03.cfm
VOC対策セミナー「Ecoでコスト削減!」 2010年2月26日 関西工業塗装協同組合 31名
../voc_info/index.html